2007年6月26日火曜日

協力ゲーム、非協力ゲーム、ナッシュ均衡、パレート効率的

ゲーム理論の用語について。

前の記事で、囚人のジレンマは悪人集団ないし利己的個人集団のジレンマ、と書きましたが、ちゃんとそういう意味の専門用語があるようです。

『非協力ゲーム』=お互いに協力しないという前提で考えるゲーム。

逆に、互いに協力することができるという前提でのゲームの、『協力ゲーム』という分類もあるそうです。

囚人のジレンマは非協力ゲームの枠の中で考えることができます。

『ナッシュ均衡』は、「非協力ゲームの解の一種であり、いくつかの解の概念の中で最も基本的な概念である。数学者のジョン・フォーブス・ナッシュにちなんで名付けられた。」(ウィキペディア)とのこと。

『ナッシュ均衡』は、どのプレーヤーも自分の戦略を変更することによってより高い利得を得ることができない戦略の組み合わせ。
囚人のジレンマでの、いずれの囚人も自分は裏切って自白する戦略が得、というのは、ナッシュ均衡。

『パレート効率性』とは、集団の中の誰かの満足度を犠牲にしなければ他の誰かの満足度を高めることができないこと。また、誰の満足度も犠牲にせずに誰かの満足度を改善できる状態を、前の状態に対して『パレート改善』という。経済学者・社会学者の、ヴィルフレド・パレートという方が提唱(ウィキペディア)。

囚人のジレンマでは、いずれの囚人も自白しないという戦略は、ナッシュ均衡である両方が裏切るという状態に対してパレート改善になっています。

年金の例を考えるのは悔しいので、地域の自治会で考えると、自治会費を誰もが払わない、という戦略は、誰が払おうが、払うまいが、私が払ったって払わなくたって大したことないだろうし、払わなければお金が残る。皆がそう思っている状態はナッシュ均衡。

でも、自治会のお金がなくてできなかったお祭りが、皆が自治会費を払うことによって復活する場合、お金を払う負担よりも、お祭りを楽しめることの満足度の方が大きいならば、その状態はパレート改善。

パレート改善が実現するかどうかは、会費の額とそれがどう使われるのかのバランスが問題で、十分楽しいお祭りに本当になると信じられるか、なんでしょうね。あ、信じたら、非協力でなく協力ゲームになるのかな。



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